
書籍名
集英社新書 1203E なぜ東大は男だらけなのか
判型など
233ページ
言語
日本語
発行年月日
2024年2月16日
ISBN コード
978-4-08-721303-4
出版社
集英社
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東大の女性学生比率は2025年5月現在で21.5%です。
過去20年で、全国の女子高校生の大学進学率はほぼ倍増しましたが、東大の女性学生比率にはほとんど変化がありません。
このことをみなさんはどう思いますか。「女子が少なすぎる」「これではいけない」という人もいるでしょう。「まあ、そんなもんだろう」「東大は理系の定員が多いから女子が少ないのは仕方がない」「公平な入学者選抜の結果だから仕方がない」という声もあるでしょう。なかには「何が悪いかわからない」という意見があるかもしれません。
私は長く駒場で教えてきた者として、東大の教員と学生の男女比率に強い問題意識を抱いています。東大は圧倒的に男性が多く、男性の価値観で彩られたキャンパスで、この不均衡が優れた学びと研究を阻害する一大要因になっていると感じています。
そのような問題意識をふまえて、本書は執筆しました。
テーマはシンプルですが奥の深い問いです――「なぜ東大はいまだに男だらけなのか」。その答えを探るために、歴史を振り返り、世界の大学と比較して考えてみました。
東大は長い間、男子しか入れませんでした。女性が入学できるようになったのは、戦後の1946年のこと。つまり、創立から約70年間は「男子だけの大学」だったのです。では、戦後に初めて入学した女性たちはどんな経験をしたのでしょうか。その先駆者たちの努力や苦労は、今にどう生かされているのでしょうか。
実は、女性を受け入れなかったのは東大だけではありません。世界の名門大学も同じでした。アメリカのアイビーリーグ、たとえばプリンストン大学が女子を受け入れたのは1969年。東大よりも20年以上も遅いのです。驚きますよね。
ところが今、プリンストンでは女子学生がほぼ半数を占めています。他のトップ大学も同じです。国際的に見れば、東大のジェンダー環境がどれだけ特殊で、そして異様かがはっきりわかるはずです。
多様性の中にこそ、優れた教育と研究は育ちます。男だらけの東大が、世界的に卓越した大学になることはできません。
これまで本書はおかげさまで多くの読者を得ることができましたが、私としてはぜひ東大生に本書を手に取ってもらいたいと願っています。今の東大をめぐる女性・男性比率は学生、教員、職員ひとりひとりが真剣に考えなければならない課題です。それは一大学に限らず、日本社会全体のあり方の問題ともかかわるものです。ぜひ当事者である皆さんの意見を聞かせてもらいたいと願っています。
(紹介文執筆者: 総合文化研究科・教養学部 教授 矢口 祐人 / 2025)
本の目次
第一章 東大は男が八割
第二章 女性のいない東大キャンパス ―― 戦前
第三章 男のための男の大学 ―― 戦後
第四章 アメリカ名門大学の共学化
第五章 東大のあるべき姿
終 章
関連情報
[連載] 著者に聞く: 【周回遅れの東京大学 (1)】女性東大生はお断り、ひと昔前まで実在した学生自治の差別的ルール ((『JBpress』 2024年11月24日)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/84543
[連載] 著者に聞く: 【周回遅れの東京大学 (2)】今も残る「東大は男のもの」意識、変えるカギは東大の「外」に (『JBpress』 2024年11月24日)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/84546
【矢口祐人が語る】東大生の8割が男性という衝撃 (著者が語る | YouTube 2024年11月21日)
https://www.youtube.com/watch?v=Yi7V0CWEEZw
【マイブック】『なぜ東大は男だらけなのか』(矢口祐人 教授) (東京大学大学院 情報学環・学際情報学府ホームページ 2024年11月13日)
https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/research/20241113mybook
【第37回】「男だらけ」の東大と日本の未来(東京大学副学長 矢口祐人氏) (文部科学 教育通信 連載「異見公論」 2024年7月8日)
https://kyoikutsushin.jp/iken/iken37.html
犬の像もオス 「東大が男だらけ」でなぜ困るのか 副学長の危機感 (『朝日新聞』 2024年5月29日)
https://www.asahi.com/articles/ASS5X0C2QS5XULLI002M.html
東大副学長「男性は自分の履く下駄を自覚せよ」 (『東洋経済』online 2024年5月26日)
https://toyokeizai.net/articles/-/756413
「このままでは東大は地盤沈下する!」副学長が語る、男だらけの東大を変えるために必要なこと (『JBpress』 2024年4月12日)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/80345
書評:
<本の棚> 松田恭幸 (相関基礎科学/物理) 評 (『教養学部報』656号 2024年7月1日)
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/booklet-gazette/bulletin/656/open/656-2-02.html
野矢茂樹 評 (『朝日新聞』 2024年4月6日)
https://book.asahi.com/article/15221351
書籍紹介:
ニュースな本: なぜ東大は男だらけなのか?漱石が描いた「男の世界」 (『DIAMOND』online 2024年11月11日)
https://diamond.jp/articles/-/352913
本を読む/本文を読む: 矢口祐人『なぜ東大は男だらけなのか』(集英社新書)を秋山訓子さんが読む (『青春と読書』No.572 2024年3月号)
https://seidoku.shueisha.co.jp/2403/read11.html
イベント:
#言葉の逆風 どう向き合うー『なぜ東大は男だらけなのか』著者、矢口副学長と考える (多様性包摂共創センター ジェンダー・エクイティ推進オフィス 2024年6月26日)
https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/666/
イベントレポート「#言葉の逆風 どう向き合う―『なぜ東大は男だらけなのか』著者、矢口副学長と考える」を開催しました! (#WeChangeUTokyo 2024年8月10日)
https://wechange.adm.u-tokyo.ac.jp/ja/news/714/
講演:
東大にはなぜ女性が少ないのか (東京大学第98回五月祭 2025年5月24日)
https://gogatsusai.jp/98/visitor/project/C005
北海道大学大学院文学研究院主催FD講演会
なぜ北大も男だらけなのか (北海道大学大学院文学研究院 2024年10月25日)
https://www.let.hokudai.ac.jp/event/25285

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