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プログラム参加学生座談会で見る体験型活動 in 関西!

掲載日:2026年7月21日

全国さまざまな地域で行われている東大の「体験活動プログラム」※1 と「フィールドスタディ型政策協働プログラム(FS)」※2。
京都、滋賀、和歌山での活動に参加した3人の学生に、現地でどんな体験をし、何を感じたのか、そして体験を一過性で終わらせないために何を考えているのかなどについて語ってもらいました。

※1 学生が体験を通して今までの生活と異なる文化・価値観に触れる活動(2012年度開始)
※2 学生が協力自治体の抱える課題に1年かけて取り組む活動(2017年度開始)

現地に行き、食べて、見て、会話する

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奈良県出身 山際美愛さん
教養学部文科三類1年
参加企画:体験活動プログラム 京都府亀岡市
課題:暮らしの中で環境に配慮した物質の循環を考える
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東京都出身 武本寛大さん
法学部第三類4年
参加企画:体験活動プログラム 和歌山県日高郡美浜町三尾
課題:紀州アメリカ村で、地域の過去と未来を考える
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京都府出身 平井伶磨さん
公共政策大学院専門職学位課程2年
参加企画:FS型政策協働プログラム 滋賀県長浜市
課題:学生との持続的な繋がりの創出

――参加したプログラムを紹介してください。

山際京都府亀岡市の体験活動に参加しました。全国初のレジ袋提供禁止条例を施行した自治体です。京都に隣接する奈良県の出身ですが、環境先進都市の亀岡を知らなかったことが参加理由の一つです。

平井私は京都出身で、幼少期はお茶の栽培や一休さんで知られる京田辺市、高校以降は京都市内で多くの時間を過ごしました。4月から国土交通省で働きますが、それまでにいろいろな地域を知りたいと考え、大学院1年目に体験活動プログラムで滋賀県日野町、2年目はFSプログラムで石川県白山市、3回目の今回はFSプログラムで滋賀県長浜市の田根地区という湖北地域に行きました。田根地区には毎年10程度の大学から学生が来ますが、卒業すると来なくなる。継続的に関わってもらう仕組みをつくることが今回の宿題です。

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滋賀県長浜市のまちづくりセンター前で他大の学生と
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滋賀県長浜市での地域住民との交流

武本日本では東京にしか住んだことがなかったので、社会人になる前に知らない地域の人とも交流したいと思い、和歌山県美浜町三尾の体験活動に参加しました。明治時代に日系カナダ人を輩出したことから「アメリカ村」と呼ばれる地区です。自治体企画の体験活動が多いなか、三尾に移住し現在は県議会議員の岩永淳志さんという卒業生が企画している点に惹かれました。

――現地ではどんなことをしましたか?

武本カナダミュージアムを訪問したり、三尾に移住した方々に話を聞いたり。岩永さんが中心となって取り組む、「一年茶」の復活プロジェクトでは、袋詰め作業も手伝いました。地域を歩くなかで特に印象に残ったのが空き家の多さです。ニュースでは知っていましたが、実際に目の当たりにすると、その現実を強く実感しました。

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美浜町三尾地区でのフィールドワーク
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美浜町三尾地区でお茶の袋詰めを手伝う学生たち

平井「実感する」という点に強く共感します。私がより多くの地方を訪れたい理由は、官僚になると自治体をデータ以外で知る機会が少なくなると思うからです。実際に田根地区に行くと、冬は凍えるような豪雪地帯があり、工業地帯があり、「黒壁スクエア」のような美味しいものが食べられる観光エリアもある。クルーズもでき、一次産業から三次産業までそろっている。航空写真では分かっていても、現地で鮮明に感じることには大きな意味があると思いました。

はみ出しトーク1

――体感型活動はどこで知りましたか?

平井UTAS(東大の学務システム)の掲示板です。東大に来た当初、情報の入手方法が分からずいろいろ見るなかで掲示板の存在を知りました。ラインナップも豊富で面白い。毎年情報開示を楽しみにしています。

山際同じです。東大生なら参加でき、めちゃくちゃ面白い。大学が費用を支援するプログラムも山ほどあります。宝探しの感覚で、毎日のようにUTASをチェックしていました。

平井上手がいましたね。 自分で探して情報にたどり着く適度なハードルがある方が熱量の近い人が集まると感じています。

「ちゃんと遊ぶ」企画ゆえ

亀岡市での絶滅危惧種「アユモドキ」調査

山際私は保津川でアユモドキという絶滅危惧種の生態調査に参加したり、不要になったパラグライダーを使ったサステナブルバッグ「HOZUBAG」の製品工場を見たりしました。このプログラムを選んだ一番の理由は、体験活動では珍しい「ちゃんと遊ぶ」企画だったことです。政策提言型のプログラムもありますが、終わったら行かなくなってしまうということには違和感がありました。「体験」だけで終わらせない、亀岡の魅力をしっかり知るために「遊ぶ」企画が面白いと思ったんです。実際にその魅力は十分伝わりました。また別の機会に亀岡に行こうと計画しています。

武本僕が考えたことと近いです。三尾に行き、地元の人たちとただ話をするのがいいなと思いました。まちの「美」を探すというフィールドワークでは、3時間くらいかけて散策したのですが、知らない町をここまで真剣に歩いたのは初めてでした。突出した何かではなく、普通にご飯が美味しく、海沿いなのも良かった。岩永さんなどから、「何かしら三尾と関係を持つ人を増やしたい」という話を聞きましたが、僕もその一人になりました。卒業前にもう1回は行きたいと思っています。

平井山際さんが指摘したように、問題解決型だと終わればミッションコンプリートです。継続的に来るようなシステムがあるといいなと思って、長浜市のプログラムに参加しています。2回目の訪問では、これまで田根地区に来た学生が集まれる「ホームカミングディ」の仕組みづくりに取り組む予定です。

はみ出しトーク2

――平井さんと山際さんは関西出身ですが、なぜ東大に進んだのでしょうか?

平井東大には同じ志の仲間が集まり、公共政策大学院では海や観光など地方に関わる機会や、省庁OB・OGから学べる機会も多いです。慣れ親しんだ京都を離れるのは惜しかったのですが、国のために働きたいと、東大に入学しました。将来的には京都に貢献したいです。

山際私は母子家庭で育ちました。母や自治体・国に支えられて進学できた経験から、社会に還元できる仕事をしたいです。明日の食べ物がないような場所にご飯を届ける物流、インフラ関係の仕事をしたくて、学ぶなら工学部の社会基盤学科だな、と。一旦広い世界を見たいと東京に来ましたが、いずれ奈良に戻るかもしれません。

立ち入れる程度の臭さのごみ処理場

亀岡市のごみ処理場

山際亀岡の環境先進都市としての取り組みで一番衝撃だったのは、ごみ処理場です。小学生の頃に大阪で見学した施設は悪臭で立ち入れないため、ガラス越しでした。亀岡では立ち入れる程度の臭さでした。高校の文化祭でごみ分別を担当したときのごみ箱より臭くないのでは、と感じたほどでした。東京に戻ってからは、ペットボトルは必ず洗ってから捨てています。小さなことですが、自分にとっては大きな変化です。

武本一番印象に残っているのは岩永さんです。ルーツのない三尾に移住し、地域に溶け込んでいる。高齢化や空き家問題という解決が難しい現実があるなかで、「一年茶」のように、人に来てもらう種を一生懸命蒔いている。現地に行き、できることから一つずつ取り組む姿勢に感銘を受けました。4月から社会人ですが、その姿勢を見習いたいです。

平井学生の立場で行ったからこそ、行政や地域の方から、制度の限界やうまくいかなかった経験まで聞くことができました。地方をどう見るか、どう関わるかの解像度が上がり、社会に貢献したいという思いがより強くなりました。学生として素朴な疑問をぶつけることができたことにも感謝しています。

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座談会会場は本部棟大会議室。壁の絵画は、本部棟を設計した丹下健三先生のご好意で設置された「奈良隨想」(今井珠泉、1979年)です。

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