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中山未来ファクトリープロジェクトとは?/東大生が開発したゲームたち

掲載日:2026年2月24日

ゲームと東大 ゲームと東大

テレビゲーム黎明期を支えた熱い志が東大へ
中山未来ファクトリープロジェクトとは?

本郷キャンパスの情報学環本館地下1階に「オープンスタジオ別ウィンドウで開く」という拠点があります(1)。日本のゲーム業界を黎明期から支えてきた、(株)セガ・エンタープライゼス元社長である中山隼雄さんのご寄付によって、ゲームや遊びに関するワークショップやイベントを展開するための多目的スタジオとして、2016年度に整備されたものです。

このスタジオを本拠地として、人々の能動性や創造性を高めて効果的な探究や学修をもたらす「遊び」を中心に据えた取り組みが、2017年度から始まった中山未来ファクトリープロジェクト。その源泉には、現代の子どもを未来のエンターテインメントの創造者として育成し、日本のゲーム業界をさらに盛り上げたいという中山さんの情熱がありました。

中山未来ファクトリーの入口前
(1)

プロジェクトではこれまでにさまざまな活動が展開されてきました。業界で活躍するゲーム開発のプロたちが講師を務める1・2年生向けの全学体験ゼミ「ゲームデザイン論」、ゲームソフトを手がける株式会社マーベラス主催の学生向けイベント「マーベラス ゲームジャム」(2)、小学生の親子がボードゲーム制作に取り組むワークショップ「夏休み親子ゲームジャム」(3)、子どもと保護者がマインクラフトでチーム対抗戦で競いながら学ぶ「親子でマイクラチャレンジ」(4)、世界経済を疑似体験する「貿易ゲーム体験ワークショップ」、Unityというゲーム開発ツールを使って集団でのコンテンツ制作に取り組む「デジタルからくり装置づくり ワークショップ」(5)……。

中山さんの志を発展させながら、社会に開かれた創発的な研究教育活動を進めるプロジェクト。この8年間に実施された170件超の取り組みは、ウェブサイトやYouTubeチャンネルで公開されています。今後の新展開にもご注目ください。

「マーベラス ゲームジャム」で学生がパソコンに向かっている様子
(2)
「夏休み親子ゲームジャム」で机にカードを広げている様子
(3)
マインクラフトで作成した安田講堂の画像
(4)
「デジタルからくり装置づくり ワークショップ」で子どもたちが机に向かって絵を描いている様子
(5)

数学や物理などの学問が遊んで学べる!
東大生が開発したゲームたち

微分・積分・極限を駆使して相手の関数を倒せ「ナブラ演算子ゲーム」

ナブラ演算子ゲームのカードを広げている様子
1,320円(税込)
買えるところ:東大生協、すごろくや ほか

ナブラ演算子とは、数学や物理や化学などで使うベクトル微分演算子「∇」のこと。数学が得意でなかったという本多弘和さん(当時教養学部)が、どうやったら楽しく数学を学べるだろうと考えて作成したのが、「ナブラ演算子ゲーム」です。微分・積分・極限を駆使して、相手の関数を先にすべて倒した方が勝ちとなる対戦型カードゲーム。「ルールはいたってシンプルで、基底を微分して相手を0次元にするだけ」とのことですが、プレイヤーには数III程度の知識が求められます。2014年の販売開始から15,000個以上を売り上げているロングセラー商品です。

おなじみの大富豪に計算の要素をプラス「関数大富豪」

関数大富豪のカードを手に持っている様子
1,980円(税込)
買えるところ:東大生協、Amazon ほか

トランプで行う大富豪(大貧民)とは違い、プレイヤーに5枚ずつ配られるのは、「y=3x」「y=x+3」といった関数が書かれたカード。「x=-1」などとランダムに場に示される「代入カード」のxの値を自分の関数カードのxに代入し、得られたyの値を用いて大富豪を行います。中高生に楽しく数学を学んでほしいとの思いから学部時代にゲームを開発した亀田崚さんは、現在理学系研究科で宇宙物理や重力波を研究する大学院生(TBS『御上先生』で教育監修を務めたこともあるとか!)。学校や塾などで体験会を実施し、数学の扉を開ける活動を進めています。

圧力×体積のグラフの上で行う理系双六「熱力学ワーカーズ」

熱力学ワーカーズのセットを広げている様子
3,300円(税込)
買えるところ:東大生協、BASE公式ショップ ほか

熱力学×双六×戦略の新感覚ボードゲーム。高校物理で学ぶ圧力と体積の「PVグラフ」上で、サイコロの目に応じてコマを動かし、一番早く80ジュールのエネルギーを集めた人が勝ち。遊びながら熱力学について学ぶことができます。必要な知識は四則演算だけ。足し算と掛け算ができる人なら誰でもプレイが可能です。開発者の新井一希さん(工学系研究科修士課程修了)が在学中に創業した株式会社理系gamesは、有機化合物が学べる「有機大富豪」、素因数分解の速さが肝の「素数スピード」も展開。「理系を、もっとたのしく」が今後も変わらぬミッションです。

東大生が関わったゲームは他にもたくさん。カードを組み合わせて最も重い犯罪を作れば勝ちの「刑法ポーカー」、遊びながらアミノ酸の構造が覚えられる「アミノ酸トランプ」、お金と素材で宝石を作り出すカードゲーム「カルケミー」、東大が拠点のビジネスコンテスト運営団体から生まれた歴史カードゲーム「Hi!story」、体験活動プログラムの参加学生と吉本興業の芸人のチームが開発したボードゲーム「シランティア」……。何でも楽しみながら学ぶのは東大人のお家芸なのかもしれません。

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