全力でその瞬間の「勝ち」を取りに行く異色の経歴の麻雀プロ
東大法学部卒業後にロースクールに進学し、法曹界を目指していた新倉和花さん。
そこから一転し、麻雀プロの道を歩み始めた背景、競技麻雀との出会い、プロとしての信念までを紹介します。
挫折を救った競技麻雀
麻雀プロ(日本プロ麻雀協会22期前期)
NIIKURA Nodoka
2023年の春、日本プロ麻雀協会のプロテストに合格した新倉和花さん。現在は、平日は教育出版系の会社カルペ・ディエムの社員として、週末は麻雀プロとして活動しています。競技麻雀大会の予選や本戦などプロとしての活動は月におよそ50、60時間。最近では放送対局の実況なども担い、競技麻雀の魅力を広めるため活躍の幅を広げています。
麻雀を始めたのは桜蔭高校時代。家族と遊びながらルールを覚え、その数学的な奥深さにのめり込んでいきました。現役で文科一類に入学し、法曹界を目指して勉強に励み、2年生の時に司法試験予備試験を受験しますが不合格。人生初の大きな挫折でした。ふさぎ込むようになり、鬱病と診断されてしまいます。家に引きこもり横になる日々の救いが「RTDリーグ」という競技麻雀の中継でした。
「大きな音や光にとても敏感になっていましたが、麻雀は静かに淡々と4人の手牌が順番に映り続ける穏やかな放送で、当時は毎日のように観ていました」
長期にわたり見続けた麻雀中継が転機になりました。早稲田大学のロースクール入学後、放送を観るだけでなく自分でも競技麻雀をプレイするようになり、2023年に当時の師匠である金太賢プロに誘われて出場した日本プロ麻雀協会主催のプロアマ混合戦「第11回チャンピオンロード雀王シリーズ
」で初優勝。それがきっかけとなり、ロースクールを中退し、プロとしての道を歩み始めることに。
「要はビギナーズラックだったんですけどね。当時の競技麻雀仲間にも、たくさんおめでとうと言われ……。嬉しかったですね」

の対局室では上下整列機能を備えた最新の全自動麻雀卓「AMOS REXX III」が使われています。
は、現役東大生で漫画『ドラゴン桜2』の編集などを担当した西岡壱誠さんが、2020年に立ち上げた会社。新倉さんをはじめ複数の東大生・卒業生が活躍しています。ゴール目指して最後まで足掻く
麻雀プロとしての活動は、所属団体のランク昇降を競う「雀王戦
」と「女流雀王戦
」、賞金が出るタイトル戦などへの出場です。日本プロ麻雀協会に所属するプロは700人以上。F1から始まる協会のランクの頂点はA1。雀王戦では、ランク上げを目指して半年かけて対戦していきます。新倉さんは現在E3。ピラミッドの頂点に到達するまでの道のりは長いですが、結果に一喜一憂せず技術の研鑽に励み、試合に挑み続けたいと話します。
「競技麻雀の面白さは、ルールが明確に定められていて、全員が同じゴールを目指すところ。皆が同じ前提を共有するからこそ、その上に戦術や戦略が立脚していきます」
速攻型、守備型、攻撃型など戦い方のスタイルがありますが、型を意識せずにあくまで「その瞬間の利益」を追いたいと言う新倉さん。
「少しでも結果をより良いものに近づけるため、できることをしたい。そこに1%でも自分の勝ち筋があるなら、全力で追及したいです」。そして何よりも大切にしているのが楽しむこと。「競技麻雀が面白くてプロになったので、その軸はブレずに持ち続けたいです」。
- 新倉さんの推しゲー
- 『雀魂 — じゃんたま
』(Yostar, Inc.)
「気軽にオンラインで対局が楽しめる麻雀アプリです。可愛いキャラクターがたくさん出てきて、アニメ作品とのコラボなどもあります」


