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「夏季集中サイエンスキャンプ」実施

掲載日:2025年8月22日

東京大学大気海洋研究所では、UTokyo Compass推進会議 SDGs登録プロジェクトの一つである「亜熱帯Kuroshio研究教育拠点の形成と展開」事業を推進しています。本事業では、人材育成の一環として、毎年「夏季集中サイエンスキャンプ」を柏キャンパスの大気海洋研究所にて開催しています。このキャンプは、大学での科学研究の一端を知るとともに、得られた成果を地域に還元することで、奄美群島の人材育成に貢献することを目的としています。

4回目の開催となった今年は、2025年7月28日から30日にかけて実施され、鹿児島県立与論高校、大島高校、古仁屋高校から計11名の高校生が参加しました。生徒たちは本研究所の化学分析装置を用いて、科学的な視点から地域課題に向き合い、研究を行いました。

サイエンスキャンプでは、研究テーマの設定から計画立案、調査、データ解析、考察、そして成果発表までを高校生自身が行っています。与論高校・大島高校の生徒たちは、水質分析を通して赤土流出対策やサンゴの白化現象、防災時における島での水の確保に関する課題に取り組みました。古仁屋高校の生徒たちは、幕末奄美白糖工場跡から出土したレンガの胎土分析を行い、製造地や工程について考察しました。

キャンプ期間中には、加速器質量分析装置や飼育実験室などの施設見学ツアーも実施し、世界最先端の研究環境に触れる機会となりました。最終日には、与論町役場、瀬戸内町役場、各高校、鹿児島県教育委員会とオンラインで接続し、成果発表会を行いました。発表後には活発な質疑応答が行われ、生徒同士でも互いに刺激を受け合う場面が見られました。

参加生徒からは、「初めての分析実習は大変だったが、この経験を地域に還元し、将来は地域にも貢献できるように探究を続けたい」との力強い言葉も聞かれました。今後も本キャンプを通じて、次世代の科学人材の育成を目指し、地域とともに歩んでまいります。


集合写真。与論高生6名、大島高生3名、古仁屋高生2名が参加


大学院生から分析装置について教わる高校生


ガラスビードを作る高校生


成果発表会の様子

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