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岩手県奥州市所蔵「留守文書」史料画像データの公開 ―東京大学との歴史資料の利活用に関する覚書に基づき、中世文書のデジタルデータを公開-

掲載日:2026年2月2日

東京大学史料編纂所は、岩手県奥州市が所蔵する古文書「留守家文書」の画像のWEB公開を開始しました。
公開を始めるのは留守家文書の一部です。留守家文書は、鎌倉時代の初めに源頼朝から陸奥国留守職と奥州総奉行に任じられ陸奥国に下向した伊沢家景の子孫に伝わった文書群(約2,000点)です。留守家は、室町時代以降に伊達家から3回養子を迎え、3回目の養子である留守政景(伊達宗朝)が当主だった天正18(1590)年に奥羽仕置で改易されました。以降は伊達家に仕え、江戸時代には仙台藩の一門の家格を有する藩士として明治維新を迎えます。江戸時代初期に、留守政景の子伊達宗利が陸奥国胆沢郡塩竃村(現岩手県奥州市水沢)を宛行われたことから、水沢伊達家とも呼ばれています。
1995年には「留守家文書(107通)」として重要文化財に指定されました。指定外の近世・近代文書も目録が作成され、利活用が可能となっています。

 
【図1:将軍家政所下文 建治2(1276)年閏3月11日】

 史料編纂所では1978年に整理を行い、その後2024年度に留守文書の調査・撮影を行いました。
 そして2025年12月に奥州市と覚書を締結したことにより、2026年1月から「留守家文書」の一部の目録データと画像データをWeb公開いたしました。

 今回ウェブ公開した史料画像は「留守家文書」のうち国の重要文化財に指定されている中世から近世初期の文書107件です。鎌倉・南北朝時代の文書は、留守家庶流の留守余目家に伝わった文書群で、江戸時代に留守一族の系譜を調査した際に水沢伊達家が蒐集しました。戦国時代の文書の一部も、江戸時代の系譜調査の際に集められた文書です。留守政景以降の文書から、連続して留守家(水沢伊達家)の伝来文書となります。
 留守家文書は、文書の多くが保存のために巻子に装丁されており、一度に複数の文書を同時に閲覧することが困難でしたが、今回デジタルアーカイブ化されたことにより、より手軽に古文書を利活用することができるようになりました。

 これらの史料画像は史料編纂所の「Hi-CAT Plus」データベースから閲覧可能です。これにより、今後の研究の進展が期待されるのはもちろん、広く市民の方々にも、文書が持つ迫力を身近に感じていただくことができるようになります。なお、画像の掲載などを希望される場合は、利用規程のページをご参照ください。

 
【図2:Hi-cat Plusデータベース画面】

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