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総合文化研究科の大関准教授、髙木准教授が文部科学大臣表彰を受賞

掲載日:2026年4月22日

大学院総合文化研究科所属の下記2名の教員が、令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(若手科学者賞)を受賞しました。
受賞した2名の業績内容は以下のとおりです。

大関洋平 准教授(言語情報科学専攻)


【業績名】「人間らしい言語処理モデルの開発に関する研究」
 自然言語処理は、大規模言語モデル(large language model、LLM)の恩恵を受けて急速に発展していますが、その高い性能の代償として、LLMには解釈性・汎化性・効率性など様々な問題が指摘されています。
 大関准教授は、これらの問題を解決するため、自然知能研究としての言語学・認知科学と人工知能研究としての自然言語処理を融合することで、信頼されるAIの基盤技術として、人間らしい言語処理モデルを開発しています。
 本研究成果は、合計41件の論文として発表・出版され、合計17件の学会賞を受賞しており、人間らしい言語処理モデルを社会実装することで、人間とAIが相利共生する人間中心のAI社会の実現に貢献すると期待されます。

【主要論文】
"Targeted Syntactic Evaluation on the Chomsky Hierarchy", Proceedings of the 2024 Joint International Conference on Computational Linguistics, Language Resources and Evaluation (LREC-COLING), 15595-15605, 2024. Best Paper Award
"Modeling Hierarchical Syntactic Structures in Morphological Processing", Proceedings of the Workshop on Cognitive Modeling and Computational Linguistics (CMCL), 43-52, 2019. Best Paper Award
 

髙木隆司 准教授(広域科学専攻相関基礎科学系)



【業績名】「量子情報処理における量子リソースの理論研究」
 髙木准教授は、量子情報処理において本質的な役割を果たす量子的特徴量に関する理論研究を推進し、量子計算や量子通信といった先端技術の性能限界を明らかにする枠組みを開発しました。 量子情報処理では、量子もつれや重ね合わせといった量子特有の性質が「量子リソース」として機能し、古典的手法では達成できない性能向上を可能にしますが、それらの量の定量的な理解に関しては、未だに多くのことが分かっていません。
 髙木准教授は、これら多様な量子リソースを統一的に扱う「一般リソース理論」を構築し、個別に研究されてきた量子特徴量の背後にある普遍的な構造を明らかにしました。この成果により、あらゆる量子リソースがどのような情報処理タスクにおいて有用であるかを定量的に理解することが可能となりました。また、この考え方を応用することで、量子計算の実用化における重要課題であるノイズ対策についての根本的な限界を情報理論の視点から明らかにしました。
 本研究の成果は、量子力学の操作的な側面からの基礎的な理解の発展に寄与するだけでなく、将来的な量子コンピュータの設計や効率的な量子アルゴリズムの開発に理論的指針を与えることが期待されます。

【主要論文】
General Resource Theories in Quantum Mechanics and Beyond: Operational Characterization via Discrimination Tasks, Physical Review X誌、vol.9、031053 (2019)
Operational Advantage of Quantum Resources in Subchannel Discrimination, Physical Review Letters誌、vol.122、140402 (2019)
Universal Sampling Lower Bounds for Quantum Error Mitigation, Physical Review Letters誌、vol.131、210602 (2023)

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